
JTFスタイルガイドセミナーに参加しました!

先月受講した、日本翻訳連盟(JTF)主催による「日本語ブラッシュアップセミナー ~表現重視編~」についてレポートします

こちらは、2015年4月の「プロが教える日本語文章の校正・リライトのテクニック」(ブログ記事はこちら)の続編ともいえるセミナー。
今回は、文意をしっかり保ちながら自然でこなれた日本語に仕上げるブラッシュアップのポイントについて、「表現」に重点を置きつつ学びを深めるための講義でした。
<セミナー内容>
・文脈把握の重要性を再確認する
・文意に合わせ、日本語として自然な語句を選択する
・主語・述語の対応や修飾関係の正しい文を仕上げる
・読み手への働きかけを強めるために表現を追求する
・インプット&アウトプットの重要性を再確認する
日本語品質コンサルタントである講師の磯崎博史先生(HPはこちら)にもご許可をいただき、セミナーで伝えられたおすすめ書籍・作品について、レジュメに記された先生のコメント付きでご紹介したいと思います。
磯崎先生も“日本語の表現力を養うためには、良質の文章をインプットし、それをさまざまな機会にアウトプットして自分のものにすることが重要”とおっしゃっています。
■おすすめの文章読本
『中学生からの作文技術』


〈磯崎先生コメント〉
文章読本の金字塔。「かかる言葉の順序」と「テン(読点)のうちかた」の二大原則をはじめ、読みやすくわかりやすい実用文を書くコツが「もうこれ以上ない!」というほど具体的に、そしてやさしく解説されています(とにかく実例が豊富)。未読の方は必読。既読の方にはぜひ再読をおすすめします。
■日本語の品質がきわめて高い訳書、和書
『ベートーヴェンまいり』※ポプラ社『響』(百年文庫13/2010年)所収


〈磯崎先生コメント〉
楽劇の創始者で希代の名文家としても知られる作曲家・ヴァーグナー(ワーグナー)が、終生にわたる憧れの相手・ベートーヴェンへの熱き想いを、作中の主人公「R」に託して語る「訪問記」。芥川賞を辞退した作家でドイツ文学者、かつ音楽評論家でもあった高木卓氏が綴るみずみずしい日本語は、まがうことなき至上の名訳。ぜひご一読ください!
『アラジン・ファクター 願いをかなえる成功のランプ』


〈磯崎先生コメント〉
気鋭の翻訳者・タカ大丸氏により、本当にたおやか、かつ美しい日本語で「成功法則の原点」が綴られた一冊。あらゆるジャンルの英日翻訳者はもちろん、さらに老若男女を問わず多くの方におすすめできる作品です。「『自分はこの程度』と自分で決めてしまってはいけない!」という強い思いに突き動かされます。ちなみに私・磯崎が校閲を担当した書籍です。
『李陵』


〈磯崎先生コメント〉
「漢の武帝の時代、匈奴の大軍と戦ってとらわれの身となった悲劇の勇将・李陵を中心に、執念の歴史家・司馬遷、不屈の使節・蘇武の運命的な生き方を雄渾の筆致で描く、中島敦の最高傑作」(「青空文庫」図書カード:No.1737より引用)。美しさと力強さを兼ね備え、格調高く綴られるその文章は、日本語の果てしない可能性をも予感させるものです。日本人ならぜひ読んでおきたい一篇です。
『スローカーブを、もう一球』


〈磯崎先生コメント〉
1981年春の"センバツ"に出場した群馬県の高崎高校。甲子園出場など夢にも思わなかった秀才校の「怪」進撃を、最高のスポーツノンフィクション作家・山際淳司が軽妙なタッチで鮮やかに描き出した一篇。いわゆる「スポ根」ものとは一線を画す、ふわっとした語り口に引き込まれます。さらに、同題の本文庫は表題作をはじめ『江夏の21球』など珠玉の名作計8篇が収められ、味わい、深みともに十二分。ご一読をおすすめします。
お仕事の納期に追われていると、読書の時間を確保することもなかなか難しいかもしれませんが、翻訳者としては質の高い文章を定期的にインプットしたいですね!
私はまず『中学生からの作文技術』から購入してみました。
磯崎先生、この度もとても勉強になるセミナーを誠にありがとうございました

アメリア事務局 並木


こちらは、2015年4月の「プロが教える日本語文章の校正・リライトのテクニック」(ブログ記事はこちら)の続編ともいえるセミナー。
今回は、文意をしっかり保ちながら自然でこなれた日本語に仕上げるブラッシュアップのポイントについて、「表現」に重点を置きつつ学びを深めるための講義でした。
<セミナー内容>
・文脈把握の重要性を再確認する
・文意に合わせ、日本語として自然な語句を選択する
・主語・述語の対応や修飾関係の正しい文を仕上げる
・読み手への働きかけを強めるために表現を追求する
・インプット&アウトプットの重要性を再確認する
日本語品質コンサルタントである講師の磯崎博史先生(HPはこちら)にもご許可をいただき、セミナーで伝えられたおすすめ書籍・作品について、レジュメに記された先生のコメント付きでご紹介したいと思います。
磯崎先生も“日本語の表現力を養うためには、良質の文章をインプットし、それをさまざまな機会にアウトプットして自分のものにすることが重要”とおっしゃっています。
■おすすめの文章読本
『中学生からの作文技術』
〈磯崎先生コメント〉
文章読本の金字塔。「かかる言葉の順序」と「テン(読点)のうちかた」の二大原則をはじめ、読みやすくわかりやすい実用文を書くコツが「もうこれ以上ない!」というほど具体的に、そしてやさしく解説されています(とにかく実例が豊富)。未読の方は必読。既読の方にはぜひ再読をおすすめします。
■日本語の品質がきわめて高い訳書、和書
『ベートーヴェンまいり』※ポプラ社『響』(百年文庫13/2010年)所収
〈磯崎先生コメント〉
楽劇の創始者で希代の名文家としても知られる作曲家・ヴァーグナー(ワーグナー)が、終生にわたる憧れの相手・ベートーヴェンへの熱き想いを、作中の主人公「R」に託して語る「訪問記」。芥川賞を辞退した作家でドイツ文学者、かつ音楽評論家でもあった高木卓氏が綴るみずみずしい日本語は、まがうことなき至上の名訳。ぜひご一読ください!
『アラジン・ファクター 願いをかなえる成功のランプ』
〈磯崎先生コメント〉
気鋭の翻訳者・タカ大丸氏により、本当にたおやか、かつ美しい日本語で「成功法則の原点」が綴られた一冊。あらゆるジャンルの英日翻訳者はもちろん、さらに老若男女を問わず多くの方におすすめできる作品です。「『自分はこの程度』と自分で決めてしまってはいけない!」という強い思いに突き動かされます。ちなみに私・磯崎が校閲を担当した書籍です。
『李陵』
〈磯崎先生コメント〉
「漢の武帝の時代、匈奴の大軍と戦ってとらわれの身となった悲劇の勇将・李陵を中心に、執念の歴史家・司馬遷、不屈の使節・蘇武の運命的な生き方を雄渾の筆致で描く、中島敦の最高傑作」(「青空文庫」図書カード:No.1737より引用)。美しさと力強さを兼ね備え、格調高く綴られるその文章は、日本語の果てしない可能性をも予感させるものです。日本人ならぜひ読んでおきたい一篇です。
『スローカーブを、もう一球』
〈磯崎先生コメント〉
1981年春の"センバツ"に出場した群馬県の高崎高校。甲子園出場など夢にも思わなかった秀才校の「怪」進撃を、最高のスポーツノンフィクション作家・山際淳司が軽妙なタッチで鮮やかに描き出した一篇。いわゆる「スポ根」ものとは一線を画す、ふわっとした語り口に引き込まれます。さらに、同題の本文庫は表題作をはじめ『江夏の21球』など珠玉の名作計8篇が収められ、味わい、深みともに十二分。ご一読をおすすめします。
お仕事の納期に追われていると、読書の時間を確保することもなかなか難しいかもしれませんが、翻訳者としては質の高い文章を定期的にインプットしたいですね!
私はまず『中学生からの作文技術』から購入してみました。
磯崎先生、この度もとても勉強になるセミナーを誠にありがとうございました


アメリア事務局 並木